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■ 宮下 芳子 Yoshiko Miyashita



鹿児島市出身。中国(天津)生まれ。
女子美術大学中退。無所属。

絵画制作と同時に多くのレリーフ(ガラスモザイク)、彫刻(大理石、ブロンズ)等、建築とアートの統合を図る。
1970年、新宿西口広場に「新宿の目」を制作。不変的なシンボルとしての話題性は、多くの映画やメディアに登場している。
1977年より17年間パリ滞在。1993年に帰国。
ピカソやマンレイに賛辞を受けていたシュールレアリズムの女王、メレット・オッペンハイムと親交を結ぶ。1984年、「毛皮の食器」に対して捧げる「エロスの食器」を制作する。
フランスの現代彫刻家として有名なダニエル・ポムロールに勧められ、1985年よりイタリア・カラーラ市で大理石の彫刻、レリーフの制作を始め、パリのランドゥスキー工房でブロンズ彫刻の制作を始める。
以降、多くのパブリック・アートを制作し、多種の素材や色彩を組み合わせた作品は、その斬新で自由な表現力で高い評価を受けている。





新宿の目に寄せて
新宿の目よ! 1970年から33年間休みなく、刻(とき)の移りを見つめ続け、この21世紀の目にあまる世のひどさに、あなたは瞳を閉じたいだろうが、ずっと見つめ続けておくれと願います。

巴里の散歩道にて
16年間巴里に住んでルーブル美術館に3回しか行ってない。ほとんど展覧会も見ない。巴里に住んでいる醍醐味は、のみの市や、アンティックの店、美しい城、真っ赤なけし畠、すれ違うオシャレで粋なすれっからしの巴里の人と、あくまでもセンスが良い、豪奢な店を眺めながら犬と散歩する事であると思っている。

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メレット・オッペンハイム
友人のダニエル・ポムロールが、「二人のシュールな世界に通じるものがある」と、私のアトリエに連れて来て下さった。手作りの「さばずし」をとても美味しそうに食べ、インドの細い葉巻を吸っていた。それがステキだったので、頂いて吸ってみたがあまりにも強いので驚いた。私の大事なコレクションの中に、彼女の“吸い殻”がおさまっている。
この写真の一年後に彼女は亡くなった。

ダニエル・ポムロール(向かって右)
フランスの前衛彫刻家である。品川の原美術館の庭に彼の作品がある。
全く違う作風の私の作品を、非常に評価してくれ、大理石で作るべきと、イタリア・カラーラ市のカルロ・ニコリ工房を紹介してくれた。

「エロスの食器」
メレット・オッペンハイムのグッゲンハイム美術館にある「毛皮の食器」に対して、「エロスの食器」を制作して見せたら、彼女はとても面白がって、舌のスプーンで食べるふりをしたりしてはしゃいだ。

ランドゥスキー工房
この工房は、フランスの教会のほとんどの鐘を制作した歴史と伝統のあるブロンズ工房であるが、私の彫刻に、新しいチャレンジ性を認め、職人達も、喜んで制作に取り組んでくれた。

カラーラの採石場にて
カラーラ市を囲む山は全部大理石で、世界一の大理石の町である。13世紀の街並みも残っている。
カルロ・ニコリ工房は、16世紀から続いていて、ミケラン・ジェロもここで制作したそうだ。世界の巨匠がここで制作している。日本人の女性では唯一私だけである。