Yoshiko's View


「アートは独創とパワーだ!」

 パリに17年住んで西洋の文化にふれて良かったことは、日本の文化を再認識できたことである。決して外国はオリジナル性の無い作品は認めない。ましてや欧米の巨匠を真似た作品は問題外とされる。
 欧米人が出来ない仕事・・・・しかし、日本の美術界では欧米の大家の影響・模倣の作品が何と多く、それ等が認められていることか。残念なことだと思う。
 日本には文学にしても源氏物語を始めとして、書や、光琳、写楽、北斎、浮世絵等世界に誇れる素晴らしい文化がある。私は、日本人でなければ出来ない作品、誰の模倣でもない宮下芳子の女の性(さが)から生まれた作品を目指して作り続けたいと思う。
 そして、外国に住んでみてしみじみ分かったことは、日本人の血と日本の文化を誇りに思うことの大切さだ。日本は自国の独創性の強いアーティストをもっと大事にするべきである。かって日本の画壇では冷たく評価されなかった藤田嗣治を始めとして、様々なアーティストが逆輸入されることは大変皮肉である。
しかし、ジャポニズムだけでは、ショーとして騒がれても、いずれ消えるだけであることも・・・・
宮下芳子 

ここでは制作にまつわるちょっとしたエピソードや、私が日常で感じている思いをお伝えしたいと思います。



04/03/28掲載 ■103才の父が描き続けた朝日